Webデザイナーとして働くと決めた後、次に悩ましいのがどのような方法でWebデザイナーになるのかですよね。そうは言っても「なる方法なんてわからない」という方も多いのではないでしょうか。やはりWebデザインのプロとしての働き方を選択する以上、しっかりと技術の習得を目指していかなければいけません。
そこでどのような学習方法があるのかについて、一緒にみていきましょう。
方法その① 独学
まず初めに思いつくのは、独学という方法。どこにも通わず、本やオンラインサービスなどで学習を進める方法です(独学の方法については、後日記事にしますね)。かかる費用は書籍代など、比較的安く済むことがメリットですが、モチベーションを保つことが難しく、またわからないところが出てきたときに相談できる相手がいないので継続することが難しいというデメリットがあります。
方法その② スクール
続いて、どこかのスクールに通うという方法です。Webデザイナーを目指す場合、スクールの種類は多岐に渡ります。有名企業が運営するスクールから個人の講師が運営するオンラインコミュニティなど、選択肢は幅広いものです。
同じ志を持った仲間ができること、わからない箇所を質問できること、またスクールによってはスケジュールに沿ってカリキュラムを組むことができることがメリットです。一方でデメリットとしては、やはりコストがかかることです。スクールの規模にもよりますが、ある程度まとまったお金が必要となるためスクール選びは慎重に行いましょう。
方法その③ 職業訓練
職業訓練という言葉は誰しも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。職業訓練とは、国や地方自治体が行う「就職するための技術を学べる」制度のことです。実はこの職業訓練、基本的にテキスト代以外に費用がかかりません!
というのも、職業訓練校の運営費用は雇用保険で賄われているため、「就職目的=雇用保険の被保険者になる人を増やす」という大名目のもとに用意された制度だからなのです。そこで気になるのが、「雇用保険に入っていなかった人はどうなるの?」という問題です。
※訓練のコースは多岐に渡ります。詳しくは自治体のホームページで確認しましょう。
【コースの例】
- OA事務
- Webデザイナー
- ネイリスト
- ファイナンシャルプランナー
- 医療事務
- CAD など
職業訓練にはふたつの分類がある
職業訓練といっても、実は大きく「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2つに分類されます。「就職するための技術を学べるところ」という点では同じですが、受けられる対象が異なります。公共職業訓練では「雇用保険を受給できる人」を、求職者支援訓練では「雇用保険を受給できない人」を対象にしています。
公共職業訓練
では、「雇用保険を受給できる人」とはどのような人を指すのでしょうか。簡単にいうと、企業に勤めていて辞めた人のことです。私たちが企業に勤める場合、もらうお給料の中から毎月雇用保険料がひかれています。条件はいろいろとありますが、退職すると受け取ることができるのが雇用保険なのです。
つまり、会社員として勤めていた方が通うことができるのが公共職業訓練なのです。この職業訓練では学費がかからない他、交通費や日当の支給があったり、雇用保険受給期間の延長や職業訓練受講給付金をもらえる可能性があったりといいことづくめの制度です。
求職者支援訓練
それでは、公共職業訓練を受けることができない専業主婦や個人事業主などはどうなるでしょうか。実はこのような「雇用保険を受給できない人」を対象としているのが求職者支援訓練なのです。
求職者支援訓練では職業訓練受講給付金こそ出ませんが、訓練が無料で受けられるという点では公共職業訓練と同じです(テキスト代はかかります)。さらに一定の条件をクリアすれば、交通費などが出る場合があるので、気になる方はまずは近くのハローワークに相談してみましょう。
職業訓練・求職者支援制度の攻略方法
そんな公共職業訓練・求職者支援制度(以下、職業訓練)ですが、誰でも受けられるというわけではありません。受講するためには、訓練校の試験に合格しなければなりません。筆者は過去に訓練校で働いていた経験があるので、攻略法についてご紹介したいと思います。
筆記試験対策
まずは筆記試験です。内容はSPIを簡単にしたものと思っておけば良いでしょう。SPIと言われると構えてしまうかもしれませんが、心配は入りません。国語や数学の基本的な問題がベースになっていますので、漢字や計算問題などを復習しておけば大きく困ることはないでしょう。
それでも自信がないという方は、「職業訓練 筆記 過去問」などのキーワードで出てくる問題を解いておけばクリアできるはずです。この筆記試験ではどちらかというと足切りの側面があるため、「ほとんど解けなかった」というケースを除いては気にしなくても良いでしょう。
面接対策
職業訓練対策の本丸はこの面接にあります。面接では「志望動機」「就職意欲」「コミュニケーション」などについて質問があります。この中で最も大切なのは「就職意欲」です。
職業訓練は「就職するための技術を身につける」ことを大前提としている訓練です。つまり学校側から見ると、「生徒(受講者)のうち何人が就職できるか」が学校の評価にもつながるのです。そのためには、学校側に「ちゃんと就職したいと考えているんだな」と感じてもらえるように自分の考えを整理しておきましょう。
どれを選ぶべきか
これまで様々な学習方法をみてきました。どれを選べばいいのかについて、正解はありません。学習方法についてずっと悩んで勉強を始められないよりは、どれでも良いからまずは始めてみることの方がよほど大事です。
プロになってからは、決して受け身の姿勢ではお仕事がうまくいきません。自分で考え、行動していくことで仕事を獲得できるようになるのです。気になる方法については、まずは調べたり問い合わせしたりしましょう!
余談 … 筆者のひとりごと
そんな筆者はどの学習方法を選んだのかというと…求職者支援訓練です。私は正社員として働いていたので原則は公共職業訓練を選ぶことになるのですが、どうしても受けたい訓練(カリキュラム)が求職者支援訓練にしかなかったため、ハローワークに相談しました。
「雇用保険受給者であれば本来受けられるものが受けられないけどいいのか?※」
※交通費や日当の支給、雇用保険受給期間の延長や職業訓練受講給付金をもらえる可能性のこと
という課題はありましたが、自分が希望する働き方を実現するためにはそれらのメリットを捨ててまで受けたいという思いがあり、訓練校へ応募しました。結果的には、その決断をして良かったと考えています。
訓練校を修了したのち、そのまま訓練校へ就職(あくまでも職業訓練の目的は就職です!)。その後フリーランスとして独立し、今に至ります。はじめの一歩を踏み出したことで、今の私があるのです。そして、今もなお勉強中です(今はオンラインスクールと独学を並行しています)。
人生100年時代。これからの時代、きっと一生勉強し続けて生きていかなくてはいけません。まずは、はじめの一歩を踏み出してみませんか。